「Smile BiDi-Repeater」のテスト

「Smile BiDi-Repeater」のテストをしています。

DesktopStation及びなごでんさんの所で試運転をして貰っていましたが、モータードライバーが、すこぶる突入電流に弱い様です。

仕様書を見ると、TB67H303HGのOCに対するマスク時間は2μs程しか有りませんので、何か手を打たないとこのモータードライバーはボツになりそうです。ちなみにTB6643KQでは4.5μs以上有り、いろいろ小技を使って10μs程で起動させているとの事。

とりあえず、無駄なあがきになるかもしれませんが、少々いじって確認をしてみます。

 

アリエクスプレスで購入した、電子負荷が到着しましたので、負荷試験をしていきます。先ずは、DCC信号をブリッジダイオードを通して直流に変換し、電子負荷に入力させます。今回は、12V-5A仕様のACアダプタを電源に接続して試験します。

 

最初はコンデンサを取り付けずに試します。0.3A程度でOC(オーバーカレント)でモータードライバーが止まります。電子負荷の突入電流で停止しまう状態で、これではどうにもなりません。

f:id:har_amc:20210530232650j:plain対策として、 470μFのコンデンサを取り付けて起動させます。最初はOCで止まりますが、リセットボタンを押しマイコンの再起動を3回程繰り返すと、コンデンサに充電されて起動してくれる様になりました。

コンデンサを1000μFに変更すると、5~6回のリセットで起動するようになります。

 ※これは、デコーダーのコンデンサが充電された事と等価と言えます。

 

 

コンデンサの容量に対する負荷電流を見ていきます。

470μFの時は3.4AでOC発動。3.3Aまでは流せました。

f:id:har_amc:20210531000027j:plain停止時のLCDの表示は5.65Aとなっておりますが、概ね3.2A~5.5A程の間で推移していました。振れ幅は2.3A程有ります。

 

 

1000μFの場合は、4.8AでOC。4.7Aまでは流せています。

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LCD表示は、5.44Aです。

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こちらは、電子負荷の設定に0.3~0.6A程度を足した値を常に保っています。コンデンサの容量が大きい事により、振れ幅が小さく0.3A程度の増減に保てていると考えます。

以上の事により、電子負荷の突入電流に対して、電解コンデンサが効果を発揮している事がわかります。

※前提として、BiDi信号を付加している為、無電圧時間が存在し電力不足となる傾向にあります。

 

 

Rosc(マスク時間を設定する抵抗)は、標準の最大120kΩの所、200kΩと270kΩに変更して確認していますが、コンデンサなしの場合に電流値の改善が見られない為、この範囲では影響していないと考えます。さらに大きくしてみる必要が有りますが、グラフを見る限り3μsまで伸びる可能性は低そうですし、モータードライバーの挙動としてOC判定不能になる可能性もあります。

とりあえずもう少し大きな抵抗値に変更し、今後OC判定がどこまで効くかを実験してみます。

また、今回はACアダプターの容量が5Aなので、結果としてギリギリの線まで流せたのかもしれません。次は10A以上の安定化電源に繋いで、8A出力を試していこうと思います。

 

 

 

 

今現在考えられる対策としては、起動時に10回くらいはプログラム上でリトライ(モータードライバーの再起動)をしてあげれば、起動できるのではないかと考えています。

 

セラミックコンデンサのみで大容量積まれると、何かしら厳しい状況になる可能性が有るかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

ハブダイナモ用電源基板を作る

最後になりましたが、ようやくハブダイナモ用電源基板の順番が回って来ました。

 

 

部品は、表と裏に分けて配置してありますので、表から部品を配置していきます。

ブリッジダイオードにツェナーダイオード、3端子レギュレータを配置します。

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3端子レギュレーターは、何故か裏側を向いています。

 

 

これは、両面に部品を取り付け終わった状態です。

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何故?、3端子レギュレータが裏向きなのかと言いますと・・・。

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表面に有る、ツェナーダイオードダイオードブリッジも含めて、放熱面を同じ高さとする為です。

 

 

更にそれは何故かといいますと、放熱用接着材でアルミケースの内側に接着する為です。発熱しそうな部品を、アルミケースに貼付け放熱してあげます。f:id:har_amc:20210515183322j:plain

 

3時間ほど動かさない様に放置しました。基板を触ってみて動かない様でしたので、蓋を閉めて試運転をしていきます。

f:id:har_amc:20210515183826j:plainケース側面に8mmの穴をあけ、5.5-8のブッシングを取り付けしたのち、配線を通しています。アルミケースはタカチの「TD4-6-3B」です。

 

 

玄関先で前輪を手で回しながら、ライトの点灯と充電器の充電状態を確認しました。

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無負荷状態のツェナーダイオードの発熱は、回転速度が遅いのか?放熱が良いのか?よくわかりませんでした。走った時に触って判断します。

 

 

今後、息子に渡して耐久試験に移行します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「TPI SmileWriter」その3

「TPI SmileWriter」が、Windows版ArduinoIDEで動くか?については、会社の退役PCで確認していた様なので、再度確認をしていきます。

 

ボードの設定については、「ATtiny10 (bitDuino10)」を選択し、書き込み装置については「AVRISP mkⅡ」とします。シリアルポートの指定は有りません。(備忘録)

f:id:har_amc:20210514104140j:plainスケッチメニューの「書込装置を使って書き込む」を使って書き込みを掛けます。

 

 

書き込みの最後に「スケッチの書き込み中にエラーが発生しました」とメッセージが出ますが、表示を辿ると、書き込みとベリファイを行っており、問題無く書き込み出来ている事が確認されています。

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これで、ATmega32u4を使用した「TPI SmileWriter(AVRISP mkⅡ クローン)」の動作確認が完了しました。一応、完成と言って良いでしょう。

 

 

この基板は、カードエッジコネクタ専用では無く、3x2のピンヘッダの取り付けにも対応していますので、フラットケーブルを使用した書き込みにも対応しています。

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基板端側の6ピン(J2シルク寄りの列)を使うとピンヘッダ用になります。

 

 

 

 

 

 

「COMBO-A mk2」その5 と「TPI SmileWriter」その2

「COMBO-Amk2」のTPI書き込み回路は使えませんが、DCC館に送ってUPDIの書き込みの確認をして頂く事にしました。

 

UPDI用3ピンのピンヘッダにポゴピン書き込みアダプタ(1.27㎜ピッチ)を接続します。

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書き込み対象のデコーダーには、1.27mmピッチのスルーホールを設け、書き込み端子としています。

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デコーダーをポゴピン書き込みアダプターにセットします。裏面に部品が付いていると基板が斜めになりますが、ポゴピン内蔵のバネのおかげで問題無く接触しています。

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問題無く書き込みが出来る事が確認出来たとの事、一歩前進です。

 

 

一方、「TPI SmileWriter」はTRAINO情報室に送って、MACでの動作確認をして頂きました。新しいMACでは動かず、古いMAC(32ビットマシン)でないと書き込み出来ないのが既知の問題では有りますが、とりあえずArduinoIDEでの動作確認は出来ました。

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昨年の調査時に、WindowsPCのArduinoIDEで書き込み出来る事を確認をしている様でしたので、再度確認する必要が有りました。

はて?どこのPCで確認したのかな。

 

 

これをキットで出すとしたら・・・、半田付けの必要スキルが高すぎるみたいなので、32u4だけもしくはコネクタ以外は実装済みにしないとダメ?ですかねぇ。

 

 

 

 

 

モータードライバーのヒートシンクについて

「Smile BiDi-Repeater」と「Smile”Stack” BiDi-Repeater」のモータードライバーには、テスト用では有りますがヒートシンクを取り付けしています。

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汎用品のヒートシンクの中から、寸法の合いそうなものを見繕って取付していくのですが、取付方法はビス止めとする為に、ネジ穴を作らないとなりません。

 普通に通っていれば、中学校の技術の時間に使っていると思いますが、タップを使って雌ネジを切るという作業をします。

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スペーサー(プラビス)に使っているネジと同じ、M3x0.5㎜ピッチのタップを用意します。

 

 

汎用ヒートシンクのフィンの一部を折り取り、穴あけとねじ切りをします。

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まずは、モータードライバー(TB67H303HG)をあてがい、位置決めしてけがきします。
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1.2㎜と下穴指定の2.5㎜のドリルを使っています。全て手動で工作しています。

 

 

最初に1.2㎜ドリルで穴あけ。

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次に、指定の2.5㎜で穴を広げます。f:id:har_amc:20210509234318j:plain

 

 

最後に、M3のタップでネジを切ります。

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TB6643KQの方も同様に作業をします。

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1.5㎜~2㎜程の厚さしか有りませんが、プラビスもしっかり止まります。

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しっかり放熱させるなら、放熱用シリコングリスを塗る方が良いと思います。

 

 

 

 

「COMBO-A mk2」その4 と「TPI SmileWriter」

今度は「Smile”Stack” 」をひとまず脇によけて、ライター関連に作業を移します。

 

「COMBO-A mk2」と、勢いで基板を発注した「TPI SmileWriter」を組み立てしました。

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「COMBO-A mk2」については、とりあえずICSPでの書き込みは確認出来ました。しかし、TPIの書き込みは今の所、テスト用プログラムのスケッチのコンパイルが通らず、書き込み以前の状態で止まっています。どの環境が良かったのか?既に失念しております。会社に置いてあるPCならチェックが出来るかも知れません。

f:id:har_amc:20210505193803j:plain「COMBO-A mk2」の基板は、追加した抵抗のフットプリントに間違いが有りました。

 

 

一方「TPI SmileWriter」ですが、0.5mmピッチQFNパッケージのATmega32u4を手半田で取り付けします。残りの部品はおおむね2012パッケージを選定していますが、一番小さい部品はリセッタブルヒューズです。

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QFN44ピンパッケージのフットプリントは、もう少し(0.2mmくらい?)外側に大きい方が半田付けはしやすい様に思いました。

 

「TPI SmileWriter」は、「AVRISP mk2クローン」の改造版ですので「ATMEL Studio」での書き込みになります。テスト用のプログラムの書き込みは一発で成功しました。

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これから、それぞれ各所に送って評価してもらう予定です。

 

 

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以下追記

 

COMBO-Amk2のTPI書き込み回路の間違いを発見してしまいました。

回路図直して、作り直しとなりました。

残念な事に、今回作った基板の殆どが改版を要しています。ガッカリです。

 

 

 

 

「Smile”Stack”」について その3

「Smile”Stack” Decorder Array」の組み立てをしていきます。

 

先ずは電流値の話に関連してですが、モータードライバーからのDCC信号は3Aと大きく、とてもDIPスイッチでは流しきれません。DIPスイッチによる選択方式はやめてスズメッキ線0.8mmによる固定配線に更しています。一方、各DCCデコーダーへの信号選択にはDIPスイッチが必要ですが、100mA流せるので大丈夫でしょう。

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ピンヘッダとショートピンも3Aなので変更しようと思います。

 

 

「Decorder Array」は3枚作りますが、ドライバーA用のみ5つ、B/C用には1つづつのみデコーダーを取り付けします。

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部品の取り付けが終わったら、スケッチの書き込みです。何やら「ハウルの動く城」的な風貌であります。

f:id:har_amc:20210504165626j:plainスマイルコネクタ部分に回路間違いが有ったので、ジャンパー線が沢山。

 

 

そして、「Smile”Stack” BiDi-Repeater」と「Smile”Stack” Booster Array」と組み合わせていきます。

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組み上げた状態での、スケッチ書き換えも初代を使ってこの通り。

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線路脇に置いてみます。まるで中小企業の事務所ビルみたいですね。

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ところが、試運転で問題が発生しています。スタックせずに単体で試運転すると5つのデコーダーは問題無く動くのですが、積み上げると動かないデコーダーが出てくるのです。動きの悪いデコーダーのATtiny85を交換したりして、一時は動く様になっても組み合わせて動かすと動かなくなるのです。概ね1と5、たまに4と2が動かない状態です。

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一番上から一番下目まで4カ所のピンソケットの連結で、信号がなまる事も考えられるので、外配線も併用してみます。

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多少改善が有ったかな?動かないのが2から1に減ったかも?ほぼわからない程度です。

特にデコーダー1は動きません。一番遠い所に有って、上にもデコーダーが2段付いています。この辺は影響が出るものでしょうか?

 

一度だけ、7つのデコーダーが全部動いたことが有るので、次のお題に進もうと思います。この気まぐれに2日も付き合って草臥れました。

 

 

組み立ての利便性も考えると、ピンソケットにしない方が良いと思いましたので、基板改版時には、ピンソケットでの接合はブースター部分だけにして、外配線にしようと思います。(面倒なのでパターンは残します。)