「Smile BiDi-Repeater」のテスト その3

前回の宿題「Smile BiDi-Repeater」の突入電流対策について、探っていきます。

 

モータードライバーを起動し、負荷側のコンデンサに充電していく途中で、突入電流によりモータードライバーが「OC」と判定して動作を中止する訳ですが、コンデンサがある程度の電圧になると、何とか動作を保てる様になります。その状態になるまで「OC」を解除しながら、幾度も再起動させて電圧を上げていきます。

 

再起動回数を調整しながらのテストとなります。スケッチを書き換えながらテストしますので、スマイルライターCOMBOは繋いだままです。

f:id:har_amc:20210612160116j:plain

 

 

トマランコンデンサを使えば、突入電流を緩和出来る事は既知の事実ですが、テストですので「35V-3300μF」のコンデンサのみで起動出来る回数を探ります。

f:id:har_amc:20210612160200j:plain

電子負荷は、電圧計及び放電器とする為、繋いであります。

 

 

スケッチ上の最初のリトライ回数は64回でした。1回の起動で4V程度の充電状態となり、手動リセットしてからの2回目で起動を保ちます。と言う事は、倍の128回とすれば大丈夫ではないか?と言う事で、スケッチを書き換えて試すと、思惑通り起動してくれました。

f:id:har_amc:20210612162610j:plain

そこからは、最低何回の再起動で立ち上がるか?を調査していきます。120、112、104、96と8づつ下げて行くと、112回で立ち上がる事が判りました。

 

 

ふと思って、電源側のコンデンサを1000μFから、3300足した4300μFに変更して試します。今度は、104回で立ち上がるようになりました。f:id:har_amc:20210612160302j:plain

当たり前ですが、電源側が貧弱過ぎでした。

 

 

いい気になって、もっと下げる事が出来るのか?と思い、4700μFを2個繋いで、合計13700μFとしてみました。

f:id:har_amc:20210612160320j:plainが、残念ながら結果は変わりませんでした。4300μFで足りている様です。

 

 

合成4300μFから、3300μFに交換してチェックします。

f:id:har_amc:20210612160335j:plain

結果は、104回から112回にダウンです。1000μFが幾分か効いている様です。

 

 

この結果から導き出した答えが、

・電源側コンデンサは3300μFに決定。

 (負荷側はこれより小さく、加えてトマラン仕様推奨とする。)

・リトライ回数は127回に決定。(計128回)

・Roscは標準の51kΩとする。

となります。

 

基板の改版時に加える物・修正は以下、

・安定化電源接続の為に、ねじ式ターミナルを増設。

・LDOが非常に熱いので、ロームのDC/DC取付兼用(排他)パターンとする。

・モータードライバー周りのプルアップ・ダウンを見直しする。

と言ったところです。

 

これで、廃番の危機を何とか乗り越えられそうです。

 

これで、各所試験をして頂く事にしましょう。