「突入電流防止基板」を組み立てる。

次のお題は「突入電流防止基板」です。基本回路の設計は「なごでん」さんですが、多忙で手が出せないとの事なので、私が作る事になりました。

 

上が今回作った基板で、下側は「なごでん」さんがCNCで製作したオリジナルの基板となります。

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変則サイズの基板ですので、アクリルサンドイッチの形状とする為、わざわざC基板サイズに拡大して製作しています。

 

 

DSair2にて動作確認をして、問題無く切り替え動作をする事が確認出来ました。

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動作としては、

1.DCC信号が入力されると当初はサーミスタを通して出力に信号が流れます。

 サーミスタは冷間時の抵抗が大きく、電流が流れ温度上昇すると抵抗値が極小となります。抵抗値が大きい間に、各所のコンデンサをゆるりと充電してしまう事で、突入電流値を抑える働きをします。

 

2.信号入力と共にタイマーICのカウントが始まり、設定した時間が経過した時点でリレーをONして、サーミスタをバイパスします。

 この時点でのサーミスタの温度にもよりますが、多くの電流がリレー接点側を流れる事で、サーミスタの電流が抑えられ温度が低下していきます。温度が下がると抵抗値が増えて、サーミスタには電流が流れなくなり、環境温度まで低下します。

 

注意点

DCC信号のON/OFFを繰り返し行った場合など、サーミスタの温度が高い場合、正常に突入電流を抑える事が出来なくなります。上の説明の通り、高温時は抵抗値が非常に小さくなる為です。サーミスタが程よく冷めるまで待ってから起動すれば、機能は自動的に回復します。

 

 

テスト風景です。

VRで切り替え時間を設定する事が出来ます。大凡5秒から中立位置で14秒程度となっています。(12VのACアダプター使用)

 

切り替え時間については、DCC信号の電圧によって多少左右されますので、適宜設定していただく事になります。また切り替え時間を長く設定すると、サーミスタが温度上昇して、冷却までの待機時間を多く必要とする事になります。現地にて、モータードライバーがOCしない程度に程良く調整してください。